ストーリー
夏休み
待ちに待った夏休み――だけど、小学5年生の田辺健斗はどこへも遊びに連れて行ってもらえない。
夏休みの宿題、「街の地図」もまったく描けないでいる。
想いをよせる転校生と地図を見せ合う約束をしたものの、街をどう描いたらいいかわからないのだ。
そんなモヤモヤが続いたある日のこと、山で暮らす謎の男「ガラクタマン」とのトラブルをきっかけに、ひと騒動が巻き起こり……。
家族の問題や、転校生の描く謎の地図、そして正体不明のガラクタマン。
さまざまな問題を抱えながらも、街中を駆けめぐる健斗。
みずからの目と耳を頼りに、被爆体験、戦後復興、駅前再開発、家族の歩みなど、
これまで知らなかった“ひろしま”を発見し、ジブンだけの地図を描いてゆく。
路面電車、広島城、原爆ドーム、愛友市場、仏舎利塔、大崎下島など、情緒あふれる広島をバックに、少年の成長を描きだす、真夏の小さな街物語――。